大矢誠による事件概要


大矢誠

2017年8月27日、猫に熱湯を掛けたりバーナーであぶったりするなどの虐待をして死なせたとして、警視庁保安課は動物愛護法違反の疑いで、さいたま市見沼区御蔵の元税理士、大矢誠(昭和40年8月24日生まれ・逮捕当時52)を逮捕した。大矢誠は虐待の様子を動画で撮影し、インターネット上に投稿していた。「猫は糞(ふん)尿が臭く、爪研ぎで壁を傷つける。有害動物の駆除であり、法律違反になるとは考えていない」などと当初容疑を一部否認していた。

 

逮捕容疑は2016年4月~2017年4月、親族所有の埼玉県深谷市櫛引54-11の廃屋で、わなで捕獲するなどした猫3匹に熱湯を繰り返し浴びせたり、ガスバーナーであぶったりして死なせたとしている。

 

同課によると、大矢誠は2016年1月~2017年4月ごろ、少なくとも13匹の猫を同様に虐待して死なせたとみられる。撮影した動画は身元が特定されないよう公共の通信環境を利用して匿名の動画投稿サイトに投稿していた上、ネット匿名掲示板「2ちゃんねる」などに掲載をほのめかす書き込みをするなどしていた。「2ちゃんねる」では、虐待マニアから「神」と呼ばれていた。2017年5月、動画を見た人から通報を受け、警視庁が調べていた。

 

2017年9月15日 起訴
2016年4月~17年4月、埼玉県深谷市内で、猫をケージに閉じ込めた上、熱湯をかけたりガスバーナーであぶったりして計3匹を殺した罪

 

2017年9月26日 追起訴
2016年3月~17年2月、埼玉県深谷市内で、金属製のゲージに猫10匹を入れてガスバーナーであぶったり熱湯をかけたりし、うち6匹を殺し、4匹にやけどを負わせた罪

 

2017年11月28日 東京地裁429号法廷で初公判

即日結審
検察側 1年10ヶ月の求刑
弁護側 「執行猶予が相当」

 

2017年12月12日
野良猫13匹を虐待したとして、動物愛護法違反の罪に問われた元税理士、大矢誠被告人に対して、東京地裁(細谷泰暢裁判官)は懲役1年10月、執行猶予4年(求刑:懲役1年10か月)の有罪判決を言い渡した。

 

執行猶予期間
開始 2017-12-27 00:00
満了 2021-12-26 24:00

大矢誠
大矢誠
大矢誠
大矢誠

大矢誠

実刑求めネット中心に署名22万筆超

大矢誠 署名サイト

事件後すぐにネット上に大矢誠に懲役刑を求める署名が開始された。最終的なネット署名数は163,749筆。これはchange.orgの国内歴代トップ。少し遅れて始まった紙署名の最終署名数は61,830筆。
併せて22万筆以上の署名が集まった。これだけ多くの人が大矢誠の実刑を求めていたにもかかわらず、判決で大矢誠には執行猶予が付いた。残虐極まりない行為に対しあまりにも軽すぎる判決と言わざるをえないが、これが現行法(動物虐待に対する罪=懲役2年以下、罰金200万円以下)の限界なのかもしれない。日本では懲役3年以下の言い渡しを受けた者について、初犯の場合は実刑になることがないからだ。 次回の法改正で動物虐待の犯罪抑止力となるよう、動物殺傷に対する刑罰を懲役5年以下へ改正を強く望む。

<追記>

2020年6月1日改正動物愛護法が施行され、愛護動物の殺傷→5年以下の懲役または500万円以下の罰金、愛護動物の虐待・遺棄→1年以下の懲役または100万円以下の罰金へと強化された。これまで器物損壊罪(3年以下の懲役又は30万円以下の罰金)より軽いと批判されがちだったが、わずかではあるがそれよりも重くなった。

また、今後3年以上の懲役を言い渡された場合は執行猶予が付かず実刑となる。

殺された猫たちを悼み犯行現場に供花

大矢誠の事件は日本中の多くの人に大きな衝撃と深い悲しみをもたらした。事件報道後、深谷市櫛引の犯行現場には、何人もの人が慰霊に訪れ、殺された猫たちを悼み花や手紙を供えて涙した。猫たちがどれだけ熱く、苦しかったか想像してほしい。小さなからだに受けたあまりに惨い仕打ちを思うと、怒り・悲しみが消えることはない。

現地を訪れる人や全国の猫たちを悼む人の想いが届き、今は猫たちが安らかに眠っていることをこころから願う。合掌

大矢誠 犯行現場の供花